また総合診療はへき地医療に象徴される医療過疎地域などで必要性が強調されがちですが、都市部における病院とクリニック、あるいは介護施設等との連携を含めた都会の総合診療も実は重要で、地域社会のつながりが希薄な都市部だからこそ強く求められる一面もあります。また単純に日本全体での患者数を考えても、総合診療の皆さんが必要とされているのは都市部が圧倒的に多いのです。
当プログラムではそうした都市部での総合診療の取り組みにも力を入れており、その実践のために名古屋市立大学の附属病院はもちろん、「救急・災害医療センター」や病院の門前に「家庭医療クリニック」等も開設する予定で準備を進めており(2024〜2025年度)、都会の同一診療圏で、地域外来、在宅、救急、病棟を有機的に結んだ診療を体感できます。また、私自身が家庭医療を学んだミシガン大学での海外短期研修に参加頂くことも可能です。
もちろんへき地医療に関してもしっかりと経験し学べる実践環境を用意しています。いわば総合医療に関して「全方位」に進んでいけるプログラムととらえていただければ幸いです。総合内科に関しても同じで、大学病院ならではの横断的な診療や地域の医療機関との連携のもと多くを学べる体制にあり、当プログラムでは総合診療と総合内科のダブルボードも取得可能で、希望者には大学院の道も開かれています。どうか安心してキャリア形成に活用していただければと思います。